びわ湖(琵琶湖)に関する基礎知識

 
 

びわ湖
(固有名詞としては琵琶湖)
 「びわ湖」という呼称は、昭和30年代に琵琶湖を研究する人たちが集まって決められました。「琵琶湖」では少し堅いので、研究対象であるとともに愛してやまない湖として、柔らかい感じの「びわ湖」という表記を使用しようということになりました。

 名前の由来:楽器の琵琶に似ている。あるいは、アイヌ語のピバという説も。
  1. 誕生:400〜500万年前(伊賀地方)
    大山田湖、阿山湖、甲賀湖、蒲生湖、堅田湖を経て現在の湖へ。フィリピン海プレートの北上により,現在も北に移動(1年に数cm)。北部は沈降,南部は隆起。
  2. 諸元
     ・水面の標高:海抜85.614m(大阪湾平均干潮位O.PBからの高さ)
        O.PBは、Osaka Peil Biwakoの略で、Peilは「水位」(オランダ語)
         東京湾平均干潮位(T.P)からは 84.371m
         (一般の地図はT.Pを基準に作られています)
     ・面積:約680km2 滋賀県の面積の約6分の1 (南湖は約58km2
     ・貯水量:約270億m3(南湖は約2億m3
           3km×3km×3kmの立方体の土を持ってくれば北湖は埋まる。
           南湖は、600m×600m×600mで埋まる(埋めたらいけません)
     ・湖岸線の長さ:234km (大津〜浜松間とほぼ等しい)
     ・流域面積:3848km2 (滋賀県の面積にほぼ等しい)
       流域面積とは、その地点に降った雨や雪が河川を通して
        びわ湖に注ぐような場所の総面積のことです。
        多くは、山脈の尾根(分水嶺ともいう)を結んだ線で囲まれる領域です。
        流域を意味する集水域という表現も用いられます。

     ・水深:最大104m安曇川河口沖の水没島横の小さな甌穴(おうけつ)
          平均水深は約40m (南湖は約4m)
  3. 水位: びわ湖の水位は、1874(明治7)年より瀬田川の鳥居川という地点で 観測が開始されました。従来はこの観測値でびわ湖水位を代表していましたが、静振の存在によって水位が時間変化するため、現在ではびわ湖の5か所(片山・彦根・大溝・堅田・三保ヶ崎)の水位の平均値でびわ湖水位を求めています。なお、びわ湖水位の基準±0には科学的な根拠はありません。
     最高水位:+376cm [1896(明治29)年9月]
     最低水位:−123cm [1994(平成6)年9月]

        1880年からの水位の変化グラフ

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年表で見るびわ湖の環境変化
西暦 元号 びわ湖の環境に関する出来事など
1874 明治7 瀬田川の鳥居川(川ではなく地名)に水位観測所(量水標)が完成し、水位観測がスタート
1896 明治29 未曽有の大洪水により水位が+376cmまで上昇
1905 明治38 瀬田川に南郷洗堰が完成
1925 大正14 神戸海洋気象台による総合調査
1950 昭和25 わが国初の国定公園に指定
1957 昭和32 大中の湖(だいなかのこ)の干拓着手(1967年に完成)
1960 昭和35 農薬PCBによる魚やシジミへの被害
1961 昭和36 守山市のホタル絶滅,琵琶湖にコカナダモ発見、瀬田川洗堰完成
1963 昭和38 北湖にコカナダモが繁茂
1964 昭和39 天ヶ瀬ダム・琵琶湖大橋完成
1966 昭和41 木ノ浜湖岸埋め立て工事により北湖にも濁水が広がる
1968 昭和43 湖南工業団地完成、びわこ博覧会が大津で開催
1969 昭和44 びわ湖にカビ臭発生、大津市公共水道が供用開始
1972 昭和47 「琵琶湖総合開発特別措置法」公布(1997年まで延長)、草津でPCB公害
1973 昭和48 オオカナダモ大繁茂
1974 昭和49 近江大橋完成、国鉄湖西線開通
1976 昭和51 琵琶湖環境権訴訟提訴
1977 昭和52 富栄養化の進行、赤潮大発生
1979 昭和54 富栄養化防止条例(琵琶湖条例)公布、粉せっけん運動広がる
1981 昭和56 「びわこ国体」開催
1983 昭和58 びわ湖フローティングスクールが開校、南湖にアオコ発生
1984 昭和59 第1回世界湖沼環境会議が大津で開催、「ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例」制定
1987 昭和62 「抱きしめてBIWAKO」に20数万人参加
1989 平成元 北湖でアユ400万匹が変死(ビブリオ菌)
1992 平成4 「ヨシ群落保全条例」「ごみ散乱防止条例」を施行
1993 平成5 びわ湖がラムサール条約登録湿地に登録される
1994 平成6 びわ湖水位マイナス123cm(観測史上最低水位)を記録
1997 平成9 温暖化防止京都会議(COP3)開催
1998 平成10 びわ湖の温暖化が明らかにされる
2001 平成13 第9回世界湖沼会議が滋賀で開催
2002 平成14 「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」(びわ湖ルール)施行
近年 南湖で水草が異常繁茂カワウによる竹生島の森林被害が深刻に外来魚問題
湖底での溶存酸素濃度の低下農地からの濁水流入が問題に

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