琵琶湖の水収支

 
 滋賀県の南部は瀬戸内海沿岸の気候に似て比較的温暖で雨が少ないのに対して、北部は典型的な日本海型気候で、わが国でも有数の豪雪地帯です。梅雨や台風などによる降水だけでなく、冬から春にかけて大量の雪解け水が琵琶湖に流入し、273億m3という膨大な水量を維持しているのです。

 びわ湖に入ってくる水には、湖面に直接降る雨や雪と、陸上に降った雨や雪が河川を通じて湖に流入するものがあります。一方、びわ湖から出て行く水として、瀬田川や疏水などからの流出と、湖面からの蒸発などが考えられます。このような水の出入りを数字で表すことを「水収支」と呼びます。いわば、びわ湖の水についての家計簿のようなものです。

 下の図は、最近の観測データを用いて描いたびわ湖の水収支の概略です。びわ湖を含む集水域での水の収入は、流域面積(約3840km2)と平均年降水量(1800mm)との積で表されます。支出をみると、陸上に降った雨や雪の約1/4はびわ湖に入る前に蒸発や蒸散によって空に帰ることがわかります。また湖面についてみれば、降水の約半分が蒸発によって失われています。湖からの流出は瀬田川と発電用水および京都に通じる疏水の水を合計した量です。

 びわ湖の水収支については、まだ不明な点が残されています。主な問題点は、びわ湖集水域での降水量の地域分布、蒸発量や蒸散量の正確な値、びわ湖に流入する地下水の量などです。



 近江舞子沖に設置したテレメータブイによる観測結果によれば、湖面からの蒸発量は下図のような季節変化を示します。図から明らかなように、湖面蒸発は秋や冬に多く、表面水温と気温にあまり差のない春季や初夏に少なくなっています。蒸発はその年の気象にも左右されますが、2002〜2003年では年間約3.4億m3でした。



このページの内容の一部については、
Endoh, S. (2002): Physical change of Lake Biwa and its consequence,
The Asian Journal of Biology Education, 1: 3-7.

および
遠藤・奥村ほか(2010):「テレメータブイによるびわ湖の気象・流況・水質の連続観測
陸水学雑誌、71:255-267.
によっています。


©2017 SEndo Kouta

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