琵琶湖の密度流 |
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密度流の流速は5cm/sec程度ですが、11月中旬から12月末あたりまで継続するので、かなりの量(約1億m3)の南湖水が北湖に流入していると考えられます。なお、琵琶湖大橋付近では瀬田川洗堰での放流に伴う流れや、静振による振動流が卓越するので、密度流の実態を明らかにするためには測流結果を慎重に吟味する必要があります。 下図は、2005年12月に琵琶湖大橋付近で観測された表層(0.5m)と底層(7m)での湖流の南北成分(上図)と水温(下図)の時間変化を示したものです。水温には明らかな成層が見られます。表層の水は南流し、底層の湖流は北向きの場合が多く、これが密度流の存在を示しています。ただし、周期約4時間の表面静振に伴う流れや、南風の連吹に伴う鉛直循環流(12月10日のお昼頃)なども同時に見ることができます。 余談ですが、寒い地方の湖では冬季に湖水温が0℃以下になり結氷します。びわ湖南湖でも氷が観測されたことがあります(たとえば1963年冬)。 淡水の密度は4℃で最大になるので、4℃以下の水は4℃の水よりも浅い層に存在し、 冷却によってさらに低温となり湖の表面から氷が張ってゆきます。 もし、水が0℃以下で最大密度を持つ物質だったら、湖の底から氷が張ってゆき、 湖底に棲む生物は凍結してしまいますね。まあ、その前に逃げ出すでしょうけれど…。 |