びわ湖(琵琶湖)の蜃気楼について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
びわ湖では、よく蜃気楼(しんきろう)が観測されます。 蜃気楼には、大きく分けて「上位蜃気楼」と「下位蜃気楼」の2種類があります。上位蜃気楼は湖面付近よりも上空が温かい場合に出現し、下位蜃気楼は湖面付近が低温の場合にみられます。上位蜃気楼の出現は春から夏に限定されるのに対し、下位蜃気楼はほぼ1年を通して観測されます。その理由は、びわ湖では4〜6月には気温のほうが水温よりも高く、それ以外の季節では水温のほうが気温よりも高いことが多いためと考えられます。下の図は、湖上(北小松沖)での気温と水温の日平均値の季節変化を示したものです。 遠藤・奥村ほか(2010):「テレメータブイによるびわ湖の気象・流況・水質の連続観測」、陸水学雑誌、71 したがって、よく目にするのは下位蜃気楼で、山や島が浮いたように見えたり(浮島現象)、実像の下に反転した虚像が重なったりします(鏡像)。一方で、上位蜃気楼は、気温の鉛直構造によって、像が縦に長く伸びたり、実像の上に反転した虚像が重なったりと、複雑な様相を呈します。 下の図は、2003年5月の南小松と湖上の気温、および表面水温の変化を1時間ごとにプロットしたものですが、陸上(南小松)では気温の日較差が湖上よりもかなり大きいことがわかります。日中に陸上での気温が上昇し、湖上気温を上回った時に上位蜃気楼が発生しやすくなるものと考えられます。 ここで紹介するのは、主に下位蜃気楼です。上位蜃気楼に関しては、伴禎氏や松井一幸氏のページに詳しい説明や写真が掲載されています。 スライドショー(Youtube)もあります。
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